静かな夜。 猫が眠りについてからは、ぼんやりとした時が流れる。 寝るまでの間の、ちょっとしたひととき。 僕も妹も、思い思いの時間を潰してゆく。 窓から覗く景色はただ夜色に染められて、心をかき乱すものもない。 そう、かき乱すものは、常に内から来るのだ。 僕と妹と猫Written by Eiji Takashima
第五話@ルビ:ちっちゃくて茶色 紙が擦れ合う音が響く。 それに混じって、妹が洗い物をする水道の音が聴こえた。 生活音はいつも安らぎに通じる。 変わらない日常が続くことを、耳でも感じるのだ。 「…………」 テレビも切ってある。 妹はテレビをつけっぱなしにするのが好きだけど、僕の読書の邪魔をしないようにと、気を遣ってくれているようだ。 妹も肌で感じているんだろう。 あの猫の存在が僕を苛立たせ、ストレスを感じさせていることを。 だからこそ、猫のいない時間は、僕のために費やしてくれることも多い。 傍にいなくても、顔を合わせて話をしなくても、共に過ごす時間も存在するのだと、僕は改めて感じていた。 ページをめくる音。 そして、蛇口を締める音。 僕は本を読み、妹は家事をする。 家のことについては、妹に任せることも多い。 だからこそ、家事をしていない時間は、妹のために費やすことが多かった。 「終わったのか?」 「うん、これでおしまいだよ」 振り向いて、キッチンの妹に訊ねる。 妹は手を拭きながらこっちにやって来た。 「ご苦労さん。テレビ、つけるか?」 ねぎらいの言葉をかけて、僕はリモコンを手に取った。 しかし、妹はダッシュでテレビの前に立ちはだかって、電源をつけさせなかった。 「テレビはいいよ、お兄ちゃん」 「って、そんな身体でとめなくても」 呆れて言う。 見たくなければ、口で言えば済むことだ。 「だって、こうでもしないとお兄ちゃんテレビつけちゃうでしょ?」 「お前が見たくないって言えば切るさ」 「でも、わたしはつけたくなかったんだもん」 よくわからないが、そういうことらしい。 とにかく妹は自慢げにそう語っていた。 「ま、それはいいとして、テレビ見ないなら、もう寝るか?」 そう言ったものの、妹は自分の部屋に戻っても寝ないだろう。 ベッドの中に潜り込んでいる猫と、しばらくぬくぬくしているのが最近の傾向だった。 「ううん、もうちょっとここにいる」 妹はそう答えると、ぽすんと僕の横に腰を下ろした。 でも、テレビを見ないんだったら、ここにいてもすることなんてない。 これはと思って僕は妹に話を振ってみた。 「何か、話でもあるのか?」 あるとすれば、相談事とかそういう類だろう。 悩みがある時は大抵、僕の横に黙って座るのが妹のパターンだった。 「そういう訳じゃないけど……」 「じゃあ何だ?」 「うん、兄妹の、スキンシップって奴かな?」 妹は言いにくそうにしながら、僕の問いに答えた。 何となく、それが正しいとは思わせないような態度だ。 「スキンシップなら、いつもしてるだろ?」 少し素っ気無く返す。 このくらいにしないと、妹はなかなか口を割らない。 「いつもしてても、いつだってしたいものなの」 はっきりそう言われるとこそばゆい。 でも、それは単にはぐらかしているだけのこと。 今日の妹はいつもより多少、しぶといようだった。 「そっか」 僕は方針を変えて、しばらく放置してみることにした。 気のない返事だけ返すと、指を挟んでおいた文庫を再び開く。 「ふんふん……」 妹は僕の態度に何か言うでもなく、横から本を覗き始めた。 そしてすぐに飽きたのか、僕にちょっかいを出し始める。 「お兄ちゃん、この本、面白い?」 「さぁな」 「さぁなって、面白いから読んでるじゃないの?」 「面白くなるかもしれないから読んでるんだ。まだ、面白いかどうかわかる段階じゃないから」 妹に答えながらも、僕は本を読み進めていく。 妹は取り敢えず納得しながらも、まだ落ち着きのない様子を見せている。 それでもしばらくは黙っていたが、またすぐに口を挟んできた。 「お兄ちゃんってさ、いつも本読んでるよね?」 「そうだな」 まだ気のない返事。 ぺらりとページをめくる。 「あっ、ちょっと待って、わたしまだそこまで読んでない」 妹が訴えかけてくる。 文庫本の途中の見開き2ページだけしか読んでないのに、僕の手を止めるとはどういうことか。 「……本が読みたいなら、別のを貸そうか?」 少しうんざりしてそう言う。 はっきり言って、今の妹は読書の妨げにしかならなかった。 「あ、ううん、わざわざそこまでしてもらわなくっても」 妹は両手を横に大きく振って僕の申し出を拒む。 まあ、妹だって本当に本が読みたいだけなら最初からそう言うはずだ。 「そっか、わかった」 疲れるが、今回は妹に合わせることにした。 はっきり言えない時は、それなりに口に出しにくいことだ。 妹が自分から口に出してくれるまで、我慢強く待ってあげるのもまた、兄の仕事だった。 しばらく妹と一緒に本を読む。 文字が小さいせいか、妹は僕に寄りかかるような体勢で文庫本に見入っていた。 「お兄ちゃん、早いよ〜」 「そうか?」 何度となく、こういうシーンが繰り返される。 妹は僕と違って読書になれていないせいか、読むスピードが遅かった。 「うん、だからページはわたしがめくるよ。それでもいい?」 「別に構わないけど」 「じゃ、そういうことで」 こうして、妹がページをめくる役になった。 僕が本を広げて膝の上で支え、妹が指を伸ばしてゆっくりとページをめくる。 二人で一冊の本を読むということが初めてなだけに、何だか妙な気分がしていた。 「お兄ちゃん」 10分ほどそのまま読み進めて、妹おもむろに言葉を発する。 「ん、どうした?」 「うん、お兄ちゃん、いつもこんな難しい本読んでるんだ〜って」 「このくらい、普通だと思うけどな」 感心する妹に対して、さらりと応える。 自分でも、別に難しい本を読んでいるつもりはなかった。 「でも、読めない漢字とか、結構あるよ」 「そうだったのか?」 「うん」 こくりと頷く。 お世辞でもなく、本音で感心している様子だった。 「読めなかったらどうするんだ?」 「読み飛ばしてる」 「それじゃ話の意味わからないだろ」 「でも、しょうがないよ〜」 妹はにへらっと笑っている。 読めない漢字があることを、割と軽く受け止めているらしかった。 「しょうがないじゃないだろ。そういう時は僕に訊けばいいから」 「えー、そうはいかないよ。お兄ちゃん、熱心に読んでるんだもん。邪魔しちゃ悪いじゃない」 さも当然のように言っている。 そんな妹が、兄として嬉しくもあり、情けなくもあった。 「いや、ダメだ。兄として、妹が漢字のひとつも読めないままにさせちゃおけないからな」 「でも、いいの? お兄ちゃん、集中できないよ」 「僕は独りの時に読むから。別に気にしなくてもいい」 「うーん、でも……」 妹はまだ遠慮している。 しばらく悩んだ様子を見せて、そして結論が出たのか口を開く。 「やっぱりいいよ。わたしは自分に合った本を読むから」 ほんの少し寂しそうにそう言う妹。 実際、僕と一緒に本が読めないことを寂しく思っているのだろう。 「難しい漢字にはふりがなが振ってあるようなの。そういうのの方がいいかな〜」 「そうか?」 「うんっ」 明るく頷いて応える。 でも、それならどうして妹は僕の本のページをめくるんだろう。 「それじゃ、勉強にはならないぞ」 「そんなことないよ」 妹は手を振って笑う。 気の迷いが振り切れたような、そんな姿。 僕は今まで封じていた問いを、ようやく投げかけることにした。 「……何か、悩みでもあるのか?」 「え?」 「だから、悩みでもあるのかって聞いてるんだ」 妹にとっては唐突かもしれない。 少なくとも、気持ちが一緒に本を読むことに移行してしまった今となっては、どうでもいいことなんだろう。 でも、だからこそ、僕は言う必要があった。 「あの、お兄ちゃん……」 「何でもいいぞ。好きに聞いてくれていいから」 ぱたんと本を閉じる。 そしてきちんと妹の方に向き直って、話を聞く態勢を作った。 「僕が悪かったよ。こっちから訊いてやればよかったな」 妹が言い出すのを待っていた。 でも、妹はきっかけを探しながらそれを忘れて、しまいには僕を気にして言えなくなってしまった。 そのままでは兄として、あまりに不甲斐ないというものだ。 「そんなっ、そんなことっ、ぜんぜん!」 妹が大きく手を振る。 が、僕はその手を掴んで言った。 「それはもういいから。僕達は兄妹だろ? 気兼ねせず話せよ」 遠慮はいい。 心配も要らない。 猫もいないこの兄妹だけの時間。 それくらいは、甘えてくれてもいいはずだ。 「……うん」 うつむくように頷く。 妹の顎が下がり、綺麗に揃えられた髪が頬を隠した。 「どうした?」 出来るだけ優しく。 妹の心を融かすように。 「あの、お兄ちゃん、やっぱりねこさんのこと、怒ってるのかなって……」 顔を上げた妹は、僕にそう訴えかけていた。 「ねこさんがいると不機嫌だし、その、すぐにお部屋に戻っちゃうし……」 自分では気付かなかった。 なるべく普通にしようと努めていたけど、妹にはそう映っていたようだ。 「そんなことないって。お前の気のせいだろ」 僕は笑って否定する。 しかし、妹には通じなかった。 「気のせいじゃないよ!」 大きな声。 夜中なのに、妹の声はリビング中に響き渡った。 「……どうしてそう言うんだ?」 僕は努めて冷静にそう訊ねた。 僕まで冷静さを欠いては、話し合いにならない。 「だって、お兄ちゃん、全然気付いてくれないじゃない。もう、あの子を飼い始めてから結構経つのに……」 妹の目尻に、光るものが見える。 自分の猫に対する態度がそこまで妹を追い詰めていたのかと思うと、腹立ちすら覚えた。 「わたしはね、お兄ちゃんに嫌がられてまで、ねこさんを飼う気はないんだよ。せっかく飼うんなら、お兄ちゃんに祝福されたいもん」 涙を覗かせながらも、僕に対して怒って見せる。 胸を叩いてくる拳は小さく、壊れてしまうそうにすら感じさせた。 「そうか……」 「そうだよ。わたし、もう待ち切れなくって」 「待つ?」 「うん、お兄ちゃんがなかなか気付いてくれないから」 「だから、気付くって何を?」 妹はなかなかはっきりと言わない。 きっと、このほのめかしだけで僕に気付いて欲しいんだろう。 でも、正直それだけじゃさっぱりだった。 「じゃあ、ヒント。わたしがさっきまでしていたことに関係がありま〜す」 「さっきまでしていたことって……読書か?」 「ぴんぽーん!」 さっきまでの様子が嘘のように、妹は暢気にクイズゲームのようなやり取りを始める。 この辺の変わりようが、僕にはなかなかついていけないところだ。 「読書で気付くって……」 「お兄ちゃんと一緒に読むことに、意味があるんだよ」 「僕と一緒に、ねぇ」 さっぱりだ。 少しもわからない。 妹は僕の困惑をよそに、楽しそうに続ける。 「うん。お兄ちゃんの本をわたしが読まないとダメなんだ。でも、ひとりで読んでもダメなの」 「漢字が読めないからか?」 「違うよぉ。だからさっきから言ってるように、一緒に読む必要があるんだって」 僕の本を、妹と一緒に読む必要がある。 しかもそれはあの猫と関係があって……。 「……ダメだ、降参。一体なんなんだよ?」 僕は敗北宣言をした。 あまり察しのいい方じゃないし、これ以上このまま妹に付き合っても、時間の無駄だろう。 「じゃあ、もう一度いっしょに読も? そうすれば、お兄ちゃんもきっと気付くから」 「わかった。じゃあ、本の続きを読もう」 結局答えは出ずじまい。 僕はまた膝の上に本を広げると、ページを妹に委ねた。 「あっ、お兄ちゃん、これ、なんて読むの?」 妹が指差して尋ねる。 やりとりは、さっきまでと少しも変わらない。 「『ちょうらく』だな。落ちぶれることを意味する」 「ふぅん……」 気のない返事。 そしてまた、静かな読書は続いていく。 「じゃあ、これは?」 「うん? これは『クラゲ』だな。ほら、海にいるぶよぶよのアレだよ」 「ああ、なるほどぉ」 わかっているのかわかっていないのか。 リアクションが均一なのが、少しだけ気になった。 これもひとつのヒントなんだろうか? 僕は少し、違った角度で妹を見ることにした。 「お兄ちゃん、次はこれ」 次に妹が指したのは、「梟」だった。 「フクロウ。夜行性の鳥だな」 「へぇ。確かねこさんも夜行性だよね」 「うん、確か」 さらりと出てきた猫という言葉。 僕はその意味を探り始める。 「じゃあ、これ」 妹はまたすぐに指差す。 「って、これはキノコだよ。お前、こんなのも読めないのか?」 「読めるよぉ♪」 僕が訊き返すと、妹はさも嬉しそうに答えた。 「読めるって、お前……」 「今までのだって、ふりがながなくても大体は読めたんだよ。あ、ちょうらくってのだけは読めなかったけど」 さも自慢げに語る妹。 普段なら馬鹿にするなと怒るところだけれど、今回は何か理由があるから簡単には怒鳴れない。 むしろ、これが妹の最終ヒントなのかもしれなかった。 「でも、お兄ちゃんって、物知りだよね〜」 「ん?」 「わたしの知らないこと、いっぱい知ってるもん。わたし、お兄ちゃんのこと、これでも尊敬してるんだよ」 嬉しいことを言ってくれる。 少しだけ僕は今置かれている状況を忘れそうになった。 「だからね、お兄ちゃんに決めてもらいたかったの」 そう言って、また本を指差す。 「今度は『椎茸』?」 椎茸くらい読めるはずだ。 いや、今までだって読めたのに、妹はわざわざ僕に訊いてきた。 「うん。同じ茶色だし、これなんかいいと思わない?」 「いい?」 「かわいいかな〜って」 「椎茸がか?」 「うん、しーちゃんって言うの」 「……しーちゃん?」 椎茸をしーちゃんだって? いくら可愛いものが好きだからって、ただのキノコにしーちゃんはないだろう。 「しいたけのしーちゃん。ちっちゃくて茶色の元気もの」 「もしかして……」 「うん?」 「あの猫の……名前?」 そう、ちっちゃくて元気もの。 しかも色は茶色と来てる。 まさにあいつピッタリだった。 「あったり〜! お兄ちゃん、よくわかったね〜」 「ったく、あれだけヒント出されりゃな」 「お兄ちゃんのことだから、ずーっと気付いてくれないかと思って心配しちゃったよぉ」 妹はほっと胸を撫で下ろしている。 どうやら心配の種はなくなったようだ。 「ってことは、お前、僕にあいつの名前を決めてもらいたかったのか?」 「うん。わたし、そういうの苦手だし。お兄ちゃんならいっぱい本読んでるから、そういうのって得意かな〜って」 嬉しそうに語る。 本当に、嬉しそうな笑顔だった。 「でも、わざわざ決めたのが『椎茸』か? なんかあんまりじゃないか?」 「えっ、そう? しーちゃんって、そんなに悪くないと思うけど」 「しーちゃんはいい、しーちゃんは。でも、正式名称は椎茸だぞ?」 「うん、しいたけ。お兄ちゃんはしいたけ嫌いじゃないでしょ?」 「むしろ、好きだけど……」 でも、猫の名前が椎茸だなんて……。 しかも、わざわざ本を読んで見つけるほどの名前じゃない。 僕がこの決定にかなりの勢いで渋っていると、妹はそんな僕を諭すように言った。 「わたしはね、お兄ちゃんに決めて欲しかったんだよ」 「それって……」 「お兄ちゃんが自分で決めた名前なら、好きになってくれるかもしれないから……」 僕が決めた名前。 そしてそれは、妹が選んだ名前でもある。 僕達が二人で調べて探して決める。 このプロセスが、僕達には重要なんだろう。 「お兄ちゃんの名前もね、そしてわたしの名前も。きっとお父さんとお母さんが、考えて決めてくれたんだろうね」 そう、妹はしみじみと語る。 本当のところはわからないけど、でも、そう信じていたい。 「そうだな……」 僕と妹で名前をつける。 僕達の両親がつけてくれたように。 それが意味するものは―― 「あの子のこと、しいたけのしーちゃんでいいかな?」 妹が改めて問う。 僕の中では、それに対する答えがもうはっきりしていた。 「わかった。あいつは今この瞬間から『椎茸』だ。お前も、これでいいんだよな?」 僕も妹に問う。 妹の答えも、はっきりしているはずだ。 「うんっ!」 妹が大きく応える。 椎茸の気持ちは確認してないけど、命名なんてのは得てしてそういうものだ。 妹が選んで、そして僕が決めて。 これであいつは、僕達の家族になれる。 「名前をつけたんだから、これからかわいがってやらないとな」 妹が求めていたのは、きっとそういうこと。 妹の所有物にするのではなく、僕達の家族にすること。 家族だからこそ、可愛がってやれる。受け止めてやれる。 「そうだね。お兄ちゃんとわたしが、お父さんとお母さんになって……」 妹は瞳を輝かせている。 妹にとって椎茸は、子供のような存在になり得るのだろうか。 「あっ、それとね、お兄ちゃん」 僕がそんなことをぼんやりと考えていると、妹が思い出したように言う。 「しーちゃんはしいたけだけど、漢字じゃないからね」 「えっ、漢字じゃないのか?」 「だって、かわいくないもん〜」 人の気も知らず、へらりと笑いながらそんなことを言う。 何だかんだ言いながらも可愛さ優先の妹。 そんな相変わらずな妹に、ちょっと意地悪をしてやりたくなった。 「お前ももっと漢字を覚えないとダメだぞ。だから、その想いも込めて、あいつは漢字で『椎茸』と表記することにする。いいな?」 「えーっ、そんなのずるい〜」 「読めないなら、ふりがなもつけてやるぞ」 「そんなの関係ないよぉ。しーちゃんは平仮名でしいたけ。これで決まりっ!」 僕の反論を許さず勝手に決めてしまう妹。 そのまま言い返そうとすると、妹は僕の唇に人差し指を当てて遮った。 「だってね、お兄ちゃん」 そしてぱちりとウィンクをひとつ。 「ふりがななんて要らないよ。わたしには、漢字を読んでくれるやさしいお兄ちゃんがいるもんねっ!」 そこまで言われたら、もう僕には返す言葉なんてない。 ただ、頷いてやるだけだった。 |