Nerv Bureau of Investigation
Section - E
The E-Files
Contribution Version.
moonshine

フォースインパクトが間近に迫る今なお、
最新科学をもってしても解明出来ない事件が、確かに存在する。

2000年 大質量隕石落下による海面水位上昇
2015年 第3新東京市への使徒襲来
2016年 戦略自衛隊によるネルフ本部制圧事件

これらの事件は必死の捜査にもかかわらず、国際連合特務機関・
ネルフに、極秘ファイルとして保存されたといわれる。

人はそれをE−FILESと呼ぶ。

今夜の事件を真実とみるか、フィクションとみるか、
それは、貴方自身に委ねられている。



 カタカタカタ(タイプ音)

ピッ と 音とともにサブタイトル

”D−FILES Dxxxx Files.”

が表示される。

【NBI・SECTION−E・オフィス】

 カタカタカタ(タイプ音)

ピィィィィ−−−−−ッ エラー音が、オフィス内に響きわたる。

「あ〜もぉ!」 とディスプレイに向かって悪態をつくアスカ。
「どうしたの?」
 ひょいと、シンジはディスプレイを覗き込み、アスカの悪態の原因を知る。

nbi::efiles:: You can't access efiles. - Magi Network Sequrity System.
nbi::efiles:: あなたには、E-Filesへのアクセス権がありません。

「きっと、アスカのIDカードは、まだ更新されていないんだよ。
 僕のが今日だったから明日ぐらいには、多分使えるんじゃないかな?」
「もぉ、なんでそう悠長に構えていられるのよ。駄目よ、今から総務部へいくわ。」
「行ってらっしゃい」
「バカ、何言ってんのよ。あんたも来るのよ」
「え?」
「決まってんじゃない。それとも女の子一人で行かせる気なの?」
「それくらい一人でも・・・」 とボヤきつつも、ついて行くシンジ。

バタン ・・・ドアが閉まり、静まり返る E-FILESオフィス。

しばらくして、アスカの端末から電子音が聞こえ出す。

ピッ

nbi::efiles:: Access. Asuka Langley Soryu login.
nbi::efiles:: Diary-2016-02-....

 ディスプレイ上に文字が綴られていく・・・・。


【NBI・総務部・端末室】

カカカカ・・・・軽やかなキーのタイプ音。

タイプ音の主がアスカが話しかける。
「運がよかったわね。私が居なかったら、更新がさ来週になるところだったわよ。」
「ほら、すぐにこっちに来て正解だったでしょ」 と得意気なアスカ。
「でも、たまたまリツコさんが、いてくれたからじゃないかな」
「そういうのは、日頃の行いがモノを言うのよ。」

カカカ・・・・キーをタイプしながら、2人に話しかけるリツコ。
「なにもわざわざ2人で来ることなかったのに。仲がいいのね。」
「いえ、アスカが無理矢・・痛っ・」 シンジの背中をつねるアスカ。
「なんだよ」
「なによ」
「ふふ、これでいいわよ。
 カシュ(IDカードが、スロットから吐き出される) はい」
「ありがとう」
 早速、手近の端末にカードを入れ、ログインするアスカ。

 ピーーーーーッ

nbi::efiles::You can't login.

「ああん、もぉ。カードが壊れてんじゃないの?」

nbi::efiles:: Already exist.
nbi::efiles:: 二重ログインが発生しています。<警告>

「なにこれ? 誰かあたしの名前で侵入してるわ!」
「ちょっと待って!」 と言う間に、リツコがコンソールに指を走らせる。

 ダーッ これまでの打鍵音と変わり、瞬時にコマンドが画面を流れていく。

 数秒後、キーを打つ手を止めるリツコ。

「リツコさん?」

「? おかしいわね。 アスカしかいないわよ。」

【NBI・科学調査部】

ピッ 音と共にディスプレイに結果が表示される。

nbi::efiles:: E-Files Sequrity System All Green.
nbi::efiles::
nbi::efiles:: File Compare Results.-------------------------------
nbi::efiles:: No Created Files. 1 Changed Files. No Moved Files.
nbi::efiles:: No Deleted Files. No Destroy Files. No Hazard Files.

「何これ?」
「これ、何ですか?」
「あれからすぐに、診断モードを起動したのよ。
 MAGIの保安システムには、どこにも侵入者の痕跡が残っていない・・・つまり侵入は無かったと言っているの。」
「そんなことって出来るんですか?」
「システム設計上、完全に痕跡を消すことは不可能よ。
 他で変ったことといえば、更新ファイルが1つあるだけだわ。」
「何の更新ファイルなんですか?」
「更新ファイルは、アスカ。あなたのものよ。」
「あたし?」
「ええ、かなり旧式のテキストファイルね。」
「中は何なんですか?」
「はい、これ」 と、プリントアウトを渡すリツコ

しばらく目を通すアスカ。読んでいくうちに、 か〜っ と赤くなる。

「なにこれ? あたしのだけどあたしのじゃないわ!」
「中身は何だったの?」 と覗きこむシンジ。
「駄目、絶対駄目!」 ばっと、プリントアウトの束を引き寄せる。
 あ! リツコ! あたしの・・・読んだのね!」
「大丈夫よ。誰にも言わないから」 コーヒーをすすりながら、答える。
「でもこれ、あたしの日記じゃないわよ。」
「アスカの日記だったの?」 と、シンジ。
「だから、あたしのじゃないのよ。誰かがあたしの名前で書いてるのよ!」

「向こうのオフィスで、ログアウトし忘れてるってことはないかしら?」 と、リツコが尋ねる。
「どういうことなんですか?」
「侵入の痕跡が無い以上、さっきの異常要因は、二重ログインしか考えられないのよ。」
「あ、なるほど」 と、納得するシンジ。
「じゃあ、この日記は、どう説明するんですか?」
「日記は、私が読んだ限りは、あなたのだとしか思えないわ。」
「え〜」
「ま、あとは、あなたたちに任せるわ。何か分かったら教えて頂戴」 と席を立ちながら話すリツコ
「科学調査部のモットーは知ってるでしょ? じゃあね、もう九時よ、はやく帰りなさい。」

【NBI・SECTION−E オフィス】

「『非科学的な事件は事件にあらず』・・・か、少しはあたしの言うことを信じてくれたっていいじゃない。」
 ぷんぷん と、オフィスに戻ってからも、機嫌斜めなアスカ。

「まぁ、そう怒んなくっても。もう遅いし帰ろうよ」
「駄目よ、今日中に捕まえてやるんだから!」
「え? 今日中に? 来ないと思うけどなぁ。」
「来るわ。」
「なんで分かるの?」
「女の勘よ!」
「勘ねぇ・・・」
「なによ、あたしの言うことを信じてないんでしょ?」
「う〜ん、そんなことないけどさ。今日は、やめとこうよ。」
「大丈夫よ。犯人を捕まえて、リツコを ぎゃふん と言わせてやるんだから、先に帰っていいわよ。」
「・・・う〜ん。分かったよアスカ。でも無理しちゃだめだよ」

【NBI・SECTION−E・オフィス・深夜】

「ふあ」 おおきく延びをひとつし、給茶器のところに歩いていくアスカ。

カチャ、ジョー カップに紅茶を注ぎながら、時計を見る。
午前2時かぁ・・・シンジの言うとおり帰れば、よかったかな。
それにしても、お腹すい・・・!

「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」

 しまった。今日は、シンジと一緒にご飯を食べに行こうって約束してたんだ。
「あ〜もぉ、なんで言わなかったのよぉ。あのバカ。」
・・・はぁ(溜息)
「こうなったのも、あいつのおかげだわ! 絶対に捕まえて

    ピピピッ 電子音。

 あっ!」 端末に駆け寄るアスカ。

nbi::efiles::asuka::apend Text Files....
nbi::efiles::asuka::diary:: ○月○日 xxxxxxx

アスカの目の前で、ファイルが更新されて行く。

「来たわ!」 誰が、アクセスしているのかは分からないが、とにかく接触を試みる。
『あなたは、誰?』
nbi::efiles::&/θ−
 更新されていた文章がとまり、画面上に乱れた線が走る。

静寂

「逃げちゃった・・・かな?」 リツコに捕捉のしかたを聞いておけば良かったと思うが、もう遅い。

nbi::efiles::talk::私は、・・・ 相手からの応答が返ってくる。
「来たわ・・・え!?」 その次の言葉に驚くアスカ。

nbi::efiles::talk::私は、惣流・アスカ・ラングレー
「何、こいつ?」

さらに言葉が続く。
nbi::efiles::talk::アンタ誰? 使徒? それとも幽霊? なんなのよ?
カタカタカタ キーを叩くアスカ。
『あたしが、アスカよ! 何言ってんのよ。あんた、あたしのマシンを使わないでよ』
nbi::efiles::talk::なに言ってんのよ。アンタこそ、アタシの日記帳に書いてるじゃない!
 日記帳? 書いてるって? 『何のことよ?』
nbi::efiles::talk「あたし」が、NBIに勤めてるって話よ!
!?
『待って、それは、あたしのことよ。じゃあ、あたしが見た日記は、あんたのものなのね?』
nbi::efiles::talk::
nbi::efiles::talk::訳がわかんないけど、そうみたいね。
nbi::efiles::talk::アンタ、弐号機の事故で、E−FILESへ飛ばされたんでしょ?
うっ・・・。
『あたしだって、知ってるわよ。あんた、いつもシンジに起こされてるでしょ?』
nbi::efiles::talk::別にいいじゃない。アイツに起こしてもらうのが、好きなんだから。
nbi::efiles::talk::あんただって、そこに来て良かったと思ってるんでしょ?
・・・・・・・『・・・うん』
nbi::efiles::talk::やっぱり、アタシね。それじゃ、アタシはもう寝るわ。アンタも早く寝なさいよ。
nbi::efiles::talk::
nbi::efiles::talk::あ、そうそう。ファーストが、いないからって気を抜いちゃだめよ
nbi::efiles::talk::アイツは、鈍感なんだから! しっかり捕まえときなさいよ!
nbi::efiles::Disconnected...
nbi::efiles::_
「あ・・・切れちゃった・・・。」

【NBI・E−FILES・オフィス・朝】

ガチャ 翌朝、シンジがオフィスに入ってくる。
端末前で、アスカがうつぶせになって寝ているのを見つけ、起こしにかかる。

 ゆさゆさ、「アスカ、アスカ」
「・・・ふぁ・・・ぁれ、シンジ どうしたの?」
「もう朝だよ。こんなところで寝てたら風邪ひいちゃうよ。」
「あ、アタシ寝てたんだ・・・あ! そうそう、昨日の犯人が判ったのよ!」
「え、本当に!?」
「そうよ、これを見て!(ディスプレイを指差しながら)リツコが、これを見たらびっくりするわよ」
「アスカ、画面…」
「え?」 よく見ると、ディスプレイには文字が散乱している。「あ」
「キーを押したまま、寝ちゃったんだよ。」
「はぁ。これじゃ、もう一人のアタシがいるなんて言っても、誰も信じてくれないわね。」
「アスカ、何ぶつぶつ言ってるの?」
「今回は、あたしだけの秘密にしといてあげるわ」
「アスカ? 大丈夫?」
「え? あ、大丈夫に決まってるでしょ! さ、帰るわよ。」
「う、うん。待ってよ。アスカ」

【NBI・E−FILES・Front Gate】

「ね、シンジ。 なんで朝、来てくれたの? アタシが心配だったの?」
「? 朝、僕のところに”迎えに来て ”って、メールをよこしただろ?」

「あ!」

Executive Producer
Fe.Saito

画面は、F.O(フェイドアウト)

 E−FILESをへろへろ書きはじめてる似非作家フェス@NBIです。

かくしエヴァルーム100万ヒット、おめでとうございます。

 ここ、かくしエヴァルームは、私がタネりだしてからずっと拝見させて頂いております。
何かお礼をしなくては!と思ってましたが、感想文を書こうにも「面白い」以外の語彙を持ち合わせてない私は、早々にあきらめてしまいました(苦笑)

 そんなある日のこと、作品募集の告知を見て、「よし、いっちょやったれ」・・・と思い立ち、勤務中に事務所で・・・もとい、研究所で実験中に(よい子はマネしちゃ駄目よ)書きました。
端からは、まじめに仕事してる(ように見える)割に、進んでないので変だと思われていたかもしれませんね。
 サブタイトルの「D−FILES」は、Duplicate か Diary ってとこです。安易にあとでつけました。
話の方は、最初と最後を思い付き、まん中を悩んで書きました。とりあえず形になったので、お納めいただければ幸いです。
 この話は、ウチで、現在進行中のE−FILES本編より、ほんのすこし時間軸が先行してます。よろしければ、ウチのページを読んでやって下さい。

 ではまた来週(をい) 1998.03.09 9:00 某実験室にて



1000000Hitメインページに戻る