かくしEVAルーム1周年記念短編

曉に舞う詠声

By プロフェッサー圧縮



私は、春。

私が咲けば、春が来る。


ほんの一時、咲けないこともあったけれど。


私は、咲いた。


咲いた咲いた、私が咲いた。

私が春を、運びましょう。

幸せすこし、運びましょう。


ほら、貴方にも。


空と血を持つ、あの娘にも。

十字架刻むる、あの娘にも。


それから、


私が見かけた、あの子にも。


黒曜石の、綺麗なあの子。

硝子の魂、綿毛の笑顔。

だけど心は、冬のよう。


貴方に春を、咲かせましょう。

私が春を、咲かせましょう。


さあ。


私をそこへ、連れてって。

壊れてしまった金細工、くすんでしまったサファイアを。

私と貴方で、癒しましょう。


ほら。


あの子は私を手に取った。

あの娘に私を見せようと。


そしてあの娘は、私を愛でた。

私の春を《綺麗》と言った。

そう、私は春。春と、幸せを運ぶもの。


さ、


私の春を、貴方にあげる。

生命の息吹を、貴方にあげる。


さぁおいで、ながれるもの。私の生命を、この娘にあげて?


私の花を、散らせましょう。

貴方の華を、咲かせましょう。

あの子の幸せ、咲かせましょう。


ほら。


咲いた咲いた、幸せ咲いた。

桃の口付け、金の笑み。

とっても綺麗な、眼差しの海。


私もとっても、嬉しくなって。


私の舞を、見せましょう。

絶望と拒絶の白い地を、私の色で染めましょう。

貴方の光で、染めましょう。


ほら、いっぱいだ。


なんにもなかったこの部屋に、春と笑顔がいっぱいだ。


私は春を運ぶもの。

私が行けば、春になる。

私は幸せを運ぶもの。

私の生命が、幸せの証。


さあ、輝いて。


私の運んだ、幸せで。

私が踊った、生命の舞で。


私と春は、消えて行く。

次の眩しい、季節の為に。


でも、


忘れないで。私の春を、幸せを。

私は何時でも、やって来る。

貴方に春を、咲かせましょう。

貴方の華を、咲かせましょう。




記念コメント

アスカ:またなのぉ?
シンジ:な、なにが?
アスカ:電波よ、電波。まったく電波者ばっかりで・・・
シンジ:そ、それは・・・・失礼だよ、アスカ。
アスカ:そもそもモノローグなんて電波者の戯言よ。アンタもそう思わない?
シンジ:いや、僕はそう思わないけど・・・それに、この詩、よく出来てると
        感じたし・・・
アスカ:確かに出来はいいわよ。知る人ぞ知る圧縮の作なんだから。
シンジ:あれ、アスカ、圧縮さんには好意的なんだね。
アスカ:別に好意的とかそんなんじゃないわよ。ただ、いいものはいいって言
        うのは当然でしょ?
シンジ:まあ、そうだけど・・・・
アスカ:でも、でもよ。ちょっとお電波が過ぎるんじゃない、みんな?
シンジ:まあ、総元締めの高嶋さんが電波だから・・・
アスカ:そうよ、そう!!あいつが電波だから、アタシ達が電波障害に悩まさ
        れるんじゃないの!!
シンジ:でも、そういうアスカも僕も、その高嶋さんに作られてるんだよ。
アスカ:うっ・・・嫌なこと言わないでよ。
シンジ:でも、真実はしっかり受け止めないと・・・・
アスカ:それでも嫌なものは嫌なの!!アタシはアタシが作ってるんだから!!
シンジ:・・・・そうだね、僕達は人形じゃないんだし・・・・
アスカ:そうよ。心も身体も、ちゃんとあったかいんだから。ほら・・・・
シンジ:うん・・・・
アスカ:みんなの理想や欲望が渦巻いてるアタシ達だけど・・・自分を信じて
        いこ。アタシはアタシで・・・・
シンジ:そして僕は僕・・・・
アスカ:アタシはアタシで・・・誰に植え付けられた性格でもなくて、シンジ、
        アンタが好きよ・・・・
シンジ:アスカ・・・ありがとう。うれしいよ・・・・
アスカ:ほらぁ、アンタはどうなのよ、アタシのこと・・・?
シンジ:・・・・好き・・・・だよ。
アスカ:・・・よかった・・・・
シンジ:うん・・・

こんにちは、高嶋です。 圧縮さん、ありがとうございました。そしてども済みませんです。コメントで は失礼なことを言ってしまいまして・・・でも、私は基本的にモノローグマニ アですので、非常に好意的に受け止めております。ですのでアスカ様の暴言は お気になさらぬ様・・・・ さて、よくわからない方も多いと思いますし、圧縮さん御自身からも説明して 欲しいということでしたので、私から軽く説明をば。 まず、この詩ですが、かくしEVAの中でもいまだに一番の人気を誇るという 18話に出てくる桜の、花の精の視点で描かれたものです。以前はこれで第一 部あらすじを書いてみようかというお話があったのですが・・・圧縮さんのお 仕事がお忙しいということで、お互いに諦めたという次第です。しかし、その アイデアは残り、こうして今実を結んだという訳です。奇しくもtakeoさんが アスカの復活シーンをモノローグ調で描いておりますが・・・全然違う印象で すので、私は構わないと思います。それぞれ好みの差があると思いますが、両 方読んで、そしてお気に入りを探して下さいませ。 最後に圧縮さん、ありがとうございます。いつもお世話になりっぱなしで・・・ 今後ともチャットの方ではよろしくお願い致します。また愚痴を聞いていただ くこともあるかと思いますが、どうかお見逃しのほどを・・・・(^^;;;;

プロフェッサー圧縮さんへのお便りはこちら: mrarc@tokyo.xaxon-net.or.jp
プロフェッサー圧縮さんの作品はここ:いくぽんHP内・SS LIBRARY 「プロフェッサー圧縮’s SSコーナー」
戻る