変身シンちゃん


 第三新東京市、対使徒迎撃用として作られたその都市は、どこからともなくやって くる使徒に対してつくられた、要塞都市である。  ここネルフは、その使徒に対抗するために汎用決戦兵器エヴァンゲリオンを使用し て使徒を撃退していた。  人の居るところには必ず事件が起きる。というわけで、ネルフは、第三新東京市に 残った人々を守るべく、「組織」を結成した。エヴァンゲリオンの専属パイロット綾 波レイ、惣流・アスカ・ラングレー、碇シンジの三人は、身の回りで起こった事件を 速やかに解決して、ついでに第三新東京市、できれば世界平和を守ってしまおうとい う便利屋さん。それが、第三新東京市特殊警備隊。略して、学園特警エヴァンなのだ! −第一中学校−  キーンコーンカーンコーン・・・・  4時限目も終わり、僕はトウジ達と昼食を食べるため、屋上に向かっていた。 『ダバディ〜・・・ダビドゥビダァ〜・・・あんたぁセクシィじゃーん・・・・・』  !!呼び出しのメドレーだ!!どうしよう・・・まだご飯食べてもいないのに。な んで、こんな時に・・・はぁ・・・仕方ないか・・・ 「トウジ、ケンスケ。ちょっと僕トイレに行ってくるから・・・」  そう言って僕は弁当を持って集合室に急いだ。1階の工作室の真空圧搾機の蓋を開 ける。その中に身を投じるとシュートになっており集合室に直結しているのだ。暗い 通路を抜けると少し広めの部屋につながっている。 「こらバカシンジ!遅い!放送が始まってから5分42秒もかかっているじゃない」  もう一人の隊員のアスカが悪態を吐く。こっちの用事なんかお構い無しである。 「そんな、屋上に行く途中だったんだよ。それにまだ弁当食べていないし」 「何言ってるのよ!!そんな事じゃ、世界平和は望めないわよ!!」 「わかったよ・・・今度から気を付けるよ・・・」 「そう?ならいいけど・・・」 「ところで、今日はどんな事件なの?」  この前は、清掃用の掃除機のコードが途中で止まっているからそれを直しに行った し、その前は、校長先生の話が長すぎて3人も低血圧で倒れたので校長先生に文句を 言いに行ったりと、まったく身近なことばっかりだ。  そんなことを考えていると、メインスクリーンがピピッと光る。次の瞬間、サング ラスをかけた一見怪しげな男の人が現れる。 「「長官!」」  ビシッと敬礼する2人。 『相変わらず、中が良いな君たちは・・・』 「誰が仲が良いんですって?まったく、とろいのよ、シンジは!」 「どうしてさ!これでも一生懸命やっているつもりだよ!」  いつもの喧嘩が長官の前で繰り広げられる。 『仲良き事は良き事かな・・・』  ガスッガスッ!  そこに、遅れてきたもう一人の隊員綾波レイの突っ込みが入る。 「いったーい・・・何するのよ!」 「痛いじゃないか、綾波。スリッパで殴るなんてひどいよ」 「長官・・・どうぞ・・・」 『相変わらず手きびしいな、レイ』 「この二人を押さえるのが私の任務ですから・・・」 『さて、君たちの今日の任務だが、悪の秘密結社がついに動き出したらしい』 「悪の秘密結社?やっと、秘密部隊らしい仕事がやってくるんですね・・・」 『しかも、いきなり人質を取った。これを見てくれ』  サブスクリーンには第一中学の近くの幼稚園が映し出される。 「あー!!子供を人質に取るなんて、もう!ポリシーって物が無いのかしら」 「ア・・・アスカ・・・相手は悪の秘密結社なんだから・・・」 「それでも、昔の悪の秘密結社はちゃんとポリシーもって幼稚園だけは襲わなかった ものよっ!」 「あ、そういえばそうだね・・・子供の夢を踏み躙る罪は特に重いと機動刑事ジバン もいってたしね・・・」 「あら、シンジ。特警ウインスペクターも言っているわよ!」 『ははははは・・・まったく、生れた年を疑いたくなるような会話だな君たち。早速 だが現場に急行し人質となった幼稚園児を救助してくれたまえ!学園特警エヴァン出 撃せよ!』 「「「は!」」」  見事にユニゾンした3人は敬礼をすると、部屋を出ていった。 −第一幼稚園− 「キャー!!助けてぇーーー!!!もう!離してよー!!」  少女が一人、見るからに怪しげな鎧をまとった少し老け気味のおじさんに捕まって いる。そこに、ジェットスケートを履いたシンジ、アスカと、スクーターにまたがっ たレイが到着する。すでに、周りには野次馬連中が集まっていた。どこから聞き出し たのかテレビ局も来ている。 「あんな小さな女の子を人質にとるとは、鬼畜な野郎ね!この学園特警エヴァンが地 獄にたたきおとしてやるわ!!」 「ち・・・ちょっとアスカ、そのセリフは正義の味方らしくないと思うよ」 「うるさいわね!」  数分で現場に到着する3人。 「ふわははははは・・・この第一幼稚園は悪の秘密結社「シャザーン」が占拠した! この幼稚園を我が「シャザーン」の世界征服の第一基地とする!!」 「「ちょぉーーーーっとまったぁ!!!!」」 「む!何奴!?」 「「学園特警エヴァン、見参!!」」  見事なまでにユニゾンしている二人は、まるで一世代前の正義の味方ルックに身を 包みビシッと指を差して登場している。後方ではレイがスクーターからスポットライ トを当てている。準備は完璧だ。 「あなたの趣味どおりにはさせないわよ!」 「え?アス・・セカンド。趣味って何?」 「はぁ?あんたバカァ?あのオジサンの趣味よ!きっとロリコンよ」 「え!?ロリコン?」 「えーい!!ごちゃごちゃうるさいぞ!我々の邪魔はさせん!いでよ!妖獣メソファ クター!!!」  閃光が走り、集束したかと思うと目の前にぬいぐるみのような物が現れた。 「後は任せたぞ!メソファクター!!!」  そう言って、煙となって消える「シャザーン」のボス。 「モキュ?ホゲェ???」 「え???あ・・・あれが妖獣メソファクター???なんか・・・か・・・可愛いな ・・・これが敵?」  メソファクターと名づけられたその妖獣(?)はとてもその名前から想像できない ぐらい可愛い表情を発散している。ふらふらーっとつい近づきたくなるようなその可 愛い光線は名も無き一般市民に向けられた。 「う・・・可愛い・・・」  ふらふらと、メソファクターに近づく市民。 「あ!ちょっと、不用意に近づくんじゃないわよ!」 「チェストー!!!!」  市民がある程度近づいたかと思うとメソファクターの目がキュピーンと光ったかと 思うと、いきなり襲いかかってきた。間一髪のところで、一般市民を助け出すシンジ。 「え?何、今の・・・」 「こいつ怪しいよ、可愛いけど・・やっぱり、妖獣と言うだけはある気を付けて、セ カンド!!」 「分かったわよ、サード・・・ってちょっと、サード!!」 「モキューン・・・ムキュ」 「あぁ!可愛い・・・怪しいけど可愛い・・・」  しかし、さっそくメソファクターの罠にはまったシンジ。ふらふらーっとメソファ クターに近づいていく。頃合いを見てふたたび攻撃をしてくるメソファクター。  ドカ!バキ!グシャ! 「ふぐぅ・・・」 「サード!!」  その容赦無い攻撃はシンジを気絶させるには充分であった。 「ホグ?モグ?ホゲェ?」 「またそうやって、可愛い光線を出しているわね・・・私には効かないわよ!」 「モキューン・・・」 「行くわよ!エヴァンファイナルクラッシュ!!!」  ドゴーン・・・・  案の定というか、アスカは少し可愛いと思ったものの放った技を途中で止めること はできない。直撃したその技は、メソファクターを一瞬にして撃沈させた。 「ふ!可愛さあまって憎さ百倍よ!」 「う・・・うーん・・・」 「さぁ!帰るわよ!サード!!」 「あ!待ってよセカンド!ファーストも・・・」  ジェットスケートを巧みに操りながら去っていく学園特警エヴァンの3人。 −第一中学校− 「こら!シンジ君!どこに行ってたの?もうとっくに5時限目ははじまっているのよ!」  そんなことはまったく知らない先生は。遅れてきた僕たちをこっぴどくしかる。 「先生、すいません、私・・・今日は二日目で・・・今までトイレに・・・」 「私も・・・」 「え!?そうだったのね・・・それじゃぁしょうがないか・・・シンジ君は廊下に立っ てなさい!」 「ほえ??そんなぁ・・・・」  とぼとぼと、廊下に向かう僕に先生が、 「シンジ君、忘れ物よ」  どこから取り出したのか、先生は水が入ったバケツを二つ持っている。 「これ、持ってなさい・・・」 「え?そんな先生・・・きびしー!!」  見た目より重いバケツを二つも持って廊下に立っているシンジ。5時限目が終わる のがこんなに遅く感じたのは、はじめてだった。  なんとか、5時限目も終わり、僕はバケツから開放された。 「バカねぇ・・・なんとでも理由を付けて逃げれば良かったのよ、あんたは機転が利 かないんだから・・・」 「そんな事言ったって、しょうがないだろ?」 「ま、それがあんたのいいところなんだけどね・・・あれ?ファーストが居ない・・ まさか・・・??」 『ダバサァ〜・・・サバディ〜〜・・サバダッササンサンサバディ〜〜・・・』 「やっぱり・・・」 「どうして、綾波は先に行ってるのに後から来るんだろ?」 「そんな事はどうでもいいのよ。さ!はやく行くわよ!」 「分かったよ、アスカ」  正義の味方に一時の休息も無かった・・・・ 終わり
後書きのようなもの  学園特警物を書きたくて書きたくてしょうがありませんでしたので、とりあえず作 ってみた作品ですが、いかがでしょうか・・・?感想なんかいただけたら嬉しいです。  それにしても、いろいろな作品をごちゃ混ぜにしたような気がします。引用された 作品へ、ごめんなさい。そして、有難う!!  というわけで、今回はこのへんで・・・ここに投稿する作品はこれで終わりだと思 います。この後、思い付いたネタは、他の場所とか、自分のホームページに掲載しよ うと思います。それでは、OHCHANをOHCHANをよろしく!

記念コメント(鬱シンジ編)

シンジ:ううう・・・・へぼすぎる・・・・・ アスカ:・・・今回ばかりはアタシもアンタと同じだわ。参るわね、こういう のは。 シンジ:ううう・・・・ アスカ:いつまでもいじけてるんじゃないの。投稿作品はどんどん来てるのよ。 アタシ達にそんな暇はないんだから。 シンジ:ううう・・・・強制労働反対・・・・ アスカ:バカ!!強制労働じゃないわよ!!感謝の意味でやってんだからね!! シンジ:ううう・・・とにかく反対・・・・・ アスカ:ふう・・・・シンジはもう駄目ね。抜け殻だわ。しょうがない、代わ りにあいつを呼ぶか。レイ、いるんでしょ!?出て来なさいよ!! レイ :私を呼んだ? アスカ:呼んだわよ。シンジが駄目だから、アンタがコメントをやるのよ。い いわね!! レイ :私はあなたの指図は受けないわ。それより碇君、大丈夫? シンジ:ううう・・・・綾波・・・・ レイ :はいはい、碇君、元気だして。 シンジ:ううう・・・・ アスカ:そいつはもう駄目よ。しばらく使い物にはならないわ。 レイ :そう、じゃあ、私が代わりにもらうわ。碇君、恐いお姉さんのお許し が出たわ。私と一緒に行きましょ。 アスカ:誰が恐いお姉さんよ!? レイ :じゃあ、おばさん? アスカ:お姉さんでいいのよ!!まずいのは「恐い」っていうとこよ!! レイ :あなたは十分恐いわ。ほら、碇君もおびえてる・・・・ シンジ:ううう・・・・ アスカ:バカ!!シンジはアタシにおびえてるんじゃないの!!ちょっと疲れ てるだけよ!! レイ :そんな証拠はないわ。やっぱり悪いのはあなたよ。あなたが悪いの。 アスカ:ア、アタシは悪くないわよ。そりゃあ、ちょっぴりいじめたこともあ ったけど・・・・ レイ :ほらご覧なさい。とうとう自分から白状したわね。 アスカ:で、でもそれ以上にいい思いもさせてやったわ。 レイ :どんな? アスカ:・・・・キスしてあげたり、それからそれから・・・・ってアンタに いう筋合いはないわよ!! レイ :碇君はそれを恐れていたのよ。私となら喜んでキスするもの。 アスカ:嘘!? レイ :嘘じゃないわ。ほら・・・・ シンジ:むぐぐ・・・・ アスカ:シンジから離れなさい!! レイ :んんん!!(訳:いやよ!!) アスカ:これでも食らえ!! レイ :ん!?んん・・・・(ああ・・・痛いけど、碇君と一緒。私、幸せ・・・) アスカ:くたばったわね。さて、シンジ、シンジっと・・・・あ!! シンジはアスカのマサカリのとばっちりを受けて、見事に気絶していた。アス カはそんなシンジをレイからひきはがすと、どさくさにまぎれてキスをするの であった・・・・
さて、記念投稿第二十一弾はOHCHANさん、四つ目の投稿です!!それに しても精力的ですね。すごいすごい!!とにかくありがとうございました。 感謝感謝の拍手です。ぱちぱちぱち・・・・・ で、今回のシンちゃんシリーズ、変身シンちゃんって・・・・学園特警!? 何だか今までとは打って変わってギャグですな。しかも、某少年漫画雑誌の某 ギャグ漫画の色が強くて・・・・爆・・・ですね。ははは・・・でも、面白く ていいですよ。シンジ君はへぼいけど、アスカは結構かっこいいですしね。レ イは・・・・なに考えてるんでしょう?私にはわかりかねますね。 まあ、それはともかく、投稿、ありがとうございました!!これからも頑張っ てくださいね!!

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