メール300通記念短編(著: 山田隆之失楽園


タイトル:ある長い一日。

  僕は転校することになった。
 「私立第三新東京中学校」それが僕の新しい学校の名前。
  
「今度は、うまくいくといいな。」
そう口に出して言った後、僕は苦笑した。誰も、答えてくれるわけないのに。

  疎まれるのには、慣れている。一人でいることにも。僕の母親は僕を生んだ
時に死んだらしい。顔も知らない。父親には長い間会ってない。顔も覚えてな
い。僕は母の親戚の家を、たらい回しにされた。そこで、僕の父親と、その息
子である僕が、いかに「悪い」人間であるかを教え込まれた。「フン。澄まし
顔しちゃって。アンタ本当に人間?アナタ達にはきっと人間らしい心が無いの
ね。」そう言われ続けた。たぶん、その通りだろう。まともな人間なら、そん
なことを言われて「まとも」でいられるわけがない。…父親が死んだと聞いた
時、僕は泣かなかった。いや、正直に言うよ。嬉しかったんだ。…それがどう
しようもなくイヤだった。でも、僕には逃げ場所など無かった。ここでやって
行くしか無かった…。父親が、財産を残していてくれたことは、つい最近知っ
た。親戚の人達に今までの養育費を取られると、僕の手元には、あまり残らな
かった。でも、僕一人が2年くらい一人で生活するくらいはあった。でも、そ
れ以上は無理かもしれない。だから「私立第三新東京中学校」の話を聞いた時、
すぐに飛びのった。僕は簡単に他人を蹴散らし、特待生になった。

そして今、僕はその学校に向かっている。
もちろん、入学の手続きのためだ。

  僕は途中で奇妙なカップルとすれ違った。それが僕の人生を変えるとは、こ
の時は全く思わなかったけど。二人とも、僕と同年齢くらいだろうか。道の真
ん中で、何か言い合っている。

「やっぱりおかしいよ、今日のアスカは。何だか僕の事を避けてるみたいだし、
僕、何かアスカを怒らせるような事をした?」と、これは男の子の方。

「そんな事無い!!シンジは何もしてないから!」と、これは女の子の方。

「シンジ」に「アスカ」か。中学生っぽいから、多分彼らも「第三新東京中学
校」で会うかもしれないな。僕はそんな事を考えながら、側を通り過ぎた。

  それから僕は、近くの喫茶店でいつもより少し遅い朝食を食べ、学校へと歩
いていった。おや、あれはさっきの男。今度は別の女の子を連れている。

「私は碇君のためだけにいるの。碇君が望むことなら、何でも出来るわ。そし
て、碇君のためならどんなことでも我慢するから。」これは女の子の方。
「あ、綾波…何もそこまで言わなくても、…」これは、男の方。さっき道の真
ん中で「アスカ」に「シンジ」と呼ばれてた少年。

「アヤナミ」に「イカリ」か。それと、あと4人。男が2人。女が2人。その
内一人はさっきの「アスカ」だ。いろいろある男みたいだな。あの「イカリ シ
ンジ」は。

僕は、そんな下らない事を考えながら、学校へと続く坂を昇っていった。学校
は、別にこれといった物は無い、ごく普通のものみたいだ。今日は日曜で、生
徒の姿は見当たらない。

と、僕の足元に、ボールが転がってきた。
「すみませーん。とってくださーい。」
女の子の声がする。僕はボールを拾い、そちらに目を向けた。女の子が瞬間的に
氷つく。また、か。僕がボールを投げてあげると、その子は逃げるように走り去
っていった。

「いけないな。」
僕は口に出して言った。
「僕は一人でいる時、いつも怒ってるように、他人からは見えるらしい。笑顔を
忘れてはいけないな。」
僕は自分自身に、諭すようにつぶやいた。

僕は事務で手続きを済ませ、それから新しい担任の先生のいる、職員室へ向かっ
た。
「葛城ミサト先生ですね。」
大丈夫。今度は笑えてる。
「えーと、あなたが…転校生の…」
どうやら、この先生はまだ僕の名前を覚えてないらしい。
「カヲルです。渚カヲル。」
なるべく笑顔を崩さないようにして、僕は言った。
…作り笑顔。僕が生きていくために覚えたもの。でも、役には立つ。
「ああ、カヲルくん?はじめまして。私が担任の葛城ミサトよ。」
「はい。知ってます。」
そう、僕が答えると、ミサト先生はとたんに不機嫌そうな顔をした。
「なんだかやりにくいわね。」
そう、ミサト先生はつぶやいた。
「えーと、」
そう言いながら手元の資料を見るミサト先生。
「成績優秀。あら、特待生じゃない。すごいのね。」
見え透いたお世辞を言う先生だ。…好きじゃない。
でも、僕は表情を崩さなかった。
「はい。ありがとうございます。先生。」
大丈夫。僕は、まだ、笑えてる。
「…」
ミサト先生は言葉に詰まってしまったようだ。何か考えている。
「こりゃあ、ある意味、シンジ君以上の問題児かもね。」
聞こえてるよ。先生。でも僕は、表情を崩さずに、聞くことにした。
「シンジって、イカリ シンジという人のことですか?」
先生は驚いたようだった。
「何であなたが知ってるの?」
本当に狼狽している。
僕は落ちついて説明した。
「ここに来る途中、道の真ん中で女の子と言い争ってるのに出会いました。僕と
ほぼ同年齢に思えたので、名前を覚えておきました。」
僕がそう言うと、先生は頭を抱えた。
「うーん。あの子達。少しは人の目を気にしなさいよ。…」
それっきり、先生は黙ってしまった。

その後、明日のホームルームで僕をクラスのみんなに紹介すると言われ、僕は職
員室を後にした。

そうして、短い先生との会話も終った。
「いい子じゃない。」
金髪でメガネをかけた先生が、ミサト先生に話しかけている。
「そう?でも私は何かあの子、気に入らないわ。」
だから聞こえてるって。先生。まあ、疎まれるのは、慣れてるけどね。

そうして僕は学校を後にした。

もう、12時はとっくに過ぎている。もう2時か3時だろうか。
僕は帰り道を歩いている。
ドン。
男とぶつかってしまった。今朝見たグループの中にいた一人。確か…「トウジ」。
「なんやワレ。」
すごんでいるつもりなのだろうか?僕は彼を冷たく見つめた。
「なんや、その顔は。ぶつかって来といて謝らんかい。」
僕はできるだけ感情を殺して言った。
「ぶつかって来たのは君の方だ。」
トウジは怒ったようだった。
「何やて!」
そこで、横からメガネをかけた男が入ってきた、確か…ケンスケ
「まあまあまあ。落ちついて。」
そう言ってトウジを押しとどめると、ケンスケは僕の方を向いて言った。
「ごめんよ。今、アイツ少し気がたってるんだ。」
そう言って、ケンスケはトウジを連れていった。
「フン。ほんま、いけ好かんやっちゃ。」
トウジは、そう言い残して去っていった。

「大丈夫。嫌われるのには慣れている。」
僕は自分にそう言い聞かせた。

僕は昼食を適当に済ますと、第三芦の湖へと向かった。
僕が見つけた場所。僕以外にだれも来そうに無い場所。そこに夕日を見に行くこ
とにした。悲しい時に行く場所に。

でも、そこには一人の少年が立っていた。
イカリ シンジ
何故、彼がここにいるのだろう?
僕は不思議だった。
僕はそっと、遠くから彼の表情をうかがった。

涙を流さない男の泣き顔、とでも言えばいいのだろうか。
意思の堅い、でも脆くてはかない。そんな悲しそうな表情だった。

多分、僕と同じ顔。

僕は何も言えず、ただ黙って近くの壊れかけた石像の上に腰かけた。

そして、黙って夕日を眺めていた。
彼もずっと夕日を眺めていた。

ルルルル…

僕は第九の鼻歌をを歌い始めた。元気の出る歌。悲しい時、立ち直るために歌う歌。

シンジ君は僕のことにやっと気が付いたらしい。僕の方を見てるのがわかる。
「歌はいいねえ。」
僕は言葉を続けた。
「歌は心をうるおしてくれる。リリンの生み出した文化の極みだよ。」
そう言って、僕は彼の方を向いた。
「君もそう思わないか?イカリシンジ君。」
シンジ君は、僕を驚いた顔で見つめた。
「僕の名を。」
僕は答えて言った。少しばかりの…これは…皮肉だろうか。よく分らない。
「知らない者はいないさ。失礼だが、君はもう少し、自分の立場というものを知
った方がいいよ。」
「…」
シンジ君は、答えに詰まっている。少し、意地悪過ぎたかな?助け船を出そう。
「僕はカヲル。渚カヲル。君と同じ学校に行くことになった、転校生さ。」
「ナギサ…くん。」
僕は少し笑って言った。作り笑顔。にせものの笑顔。でも役に立つ。
「カヲルでいいよ。イカリくん。」
彼も、言った。
「ぼくも…、シンジでいいよ。」

僕は少し顔が緩むのを感じた。
彼と一緒なら、こんな僕でも、いつか本当に笑える日が来る。
そんな予感がした。

(おわり)


かくしEVAルーム作者、高嶋栄二のコメント+α いやー、300通目、またまた山田さんでした。100通目の時とは違い、山田 さんもエヴァページを持つ方となりましたので、今回は山田さんに書いて頂きま した。山田さん、ありがとう!! と言う訳で、私もただ頂くだけでは申し訳ないので、かくしEVAオールスター キャストによる、コメントを付けさせて頂きます。では・・・

シンジ:「こんにちは、碇シンジです。高嶋さんにご依頼を受けましたので、進 行役を勤めさせて頂きます。どうかよろしく・・・」 アスカ:「ちょっと待ちなさいよ!!どうしてアンタが進行役なわけ!?アタシ にふさわしい役柄だっていうのに!!」 シンジ:「ア、アスカ、落ち着いて・・・それにみなさんに自己紹介しないと。」 アスカ:「わかってるわよ、そんな事くらい!!それに、このアタシを知らない 人間が、こんなところを見てると思う!?」 シンジ:「た、確かにアスカの言う通りだけど、これはまあ、形なんだから・・・」 アスカ:「日本人は形にこだわり過ぎるのよ!!でも、まあいいわ、シンジの頼 みなんだから。」 シンジ:「そ、そう?助かるよ、アスカ。」 アスカ:「アタシが惣流・アスカ・ラングレーよ。いいわね?」 シンジ:「ア、アスカ、その言い方はちょっと・・・・」 レイ :「碇君。」 シンジ:「あ、綾波、来てくれたんだ!!」 レイ :「碇君の頼みなら、私はどんなことだって聞くわ。だから碇君、何でも 私に言って。」 アスカ:「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!もしかしてアンタがファーストを呼 んだ訳!?」 シンジ:「そうだけど。だって、綾波も登場してる訳だし・・・」 アスカ:「そんな話、聞いてないわよ!!高嶋、これはどういう事なの!?アタ シとシンジ、二人っきりっていう約束だったじゃないの!!」 シンジ:「ア、アスカ・・・?」 アスカ:「何よ!?それより、高嶋はどこに行ったの!?」 シンジ:「た、高嶋さんは今日は来ないよ。」 アスカ:「どういう事よ、それ!?」 シンジ:「ほら、今日は僕たちだけっていうことだからさあ・・・」 アスカ:「許せないわ!!またお仕置きしてやるんだから!!」 シンジ:「ア、アスカ、危ないからマサカリなんてしまって・・・」 アスカ:「うるさいわね!!アンタもこれを食らいたい訳!?」 シンジ:「ちょ、ちょっと・・・」 レイ :「やめて。碇君をやるなら、代わりに私のことをやっていいから。」 アスカ:「もちろんよ。アンタのことは前から一発御見舞しておこうと思ってた んだから!!」 シンジ:「ア、アスカ、いい加減にしろよ!!」 アスカ:「何、アンタはこいつをかばう訳!?」 シンジ:「と、とにかく先に進めようよ。ね?みんな忙しいんだし。」 アスカ:「ま、いいわ。ここではみんなが見てるしね。後でお仕置きよ、いいわ ね!!」 レイ :「碇君にやるなら私に・・・」 アスカ:「もうそれはいいの!!アンタもちょっとは黙ってなさい!!」 レイ :「あなたに言われる筋合いはないわ。いつも私の碇君をいじめるくせに。」 アスカ:「なんですって!?それに何よ!?誰のシンジだって言うの?シンジは アタシのものに決まってるじゃない!!」 レイ :「碇君は私のものよ。あなたのものじゃないわ。」 アスカ:「アタシのものよ!!」 シンジ:「うう、二人とももうやめて・・・」 ヒカリ:「二人とも止めなさいよ!!碇君が困ってるじゃない!!」 シンジ:「ほ、洞木さん、ありがとう・・・やっぱり洞木さんがいてくれないと、 どうにも納まらないところだったよ。」 ヒカリ:「アスカも綾波さんも、いい加減になさい。みんな見てるのよ。」 アスカ:「わかったわよ・・・ヒカリ・・・・」 レイ :「ごめんなさい、碇君。碇君に迷惑をかけてしまって・・・・」 ヒカリ:「じゃあ、これからは私、洞木ヒカリが進行役をやらせて頂きます。」 シンジ:「お願いするよ、洞木さん。」 ヒカリ:「まずはじめに、山田さんの作品について、碇君から順に感想を言って。」 シンジ:「う、うん、わかった。山田さん、どうもありがとうございました。高 嶋さんによると、カヲル君は全然違う形になるみたいだけど、それで もうれしいです。」 アスカ:「それだけ?」 シンジ:「う、うん・・・」 アスカ:「アンタバカ!?感想になってないじゃないの。」 レイ :「碇君を馬鹿呼ばわりしないで。」 アスカ:「もう、アンタはいいの!!邪魔だから引っ込んでてくれる!?ともか く、シンジがこうだから、このアタシがお手本を見せてあげるわ。い いわね?」 シンジ:「う、うん。」 アスカ:「山田、アンタ、ちょっと屈折してるわよ!!それにアタシがほとんど 出てこないじゃないの。このカヲルっていうのはなに?アンタのオリ ジナル!?」 シンジ:「ア、アスカ、そんな事、失礼だよ。それに、カヲル君は山田さんのオ リジナルじゃなくって、ちゃんとEVAに出てきたんだよ。」 アスカ:「アタシは知らないわよ、そんな奴!!」 シンジ:「アスカが入院してた、最後辺りに出てきたんだ。だからアスカは知ら ないんだよ。」 アスカ:「にゅ、入院・・・・イヤ!!」 シンジ:「ちょ、ちょっとアスカ!?いきなり抱き付かないでよ!!」 アスカ:「シンジ、アタシを放さないで!!アタシを抱きしめて!!」 シンジ:「も、もう・・・しょうがないなあ・・・・」 レイ :「碇君が・・・そんな・・・・」 トウジ:「シンジ、そりゃあ惣流の罠やで。気ぃつけえな。」 シンジ:「え!?トウジ、ほんと?」 アスカ:「アンタ、余計なこと言うんじゃないわよ!!せっかくうまく行ってた のに・・・・」 シンジ:「アスカ、それ、どういう事?」 アスカ:「え!?あ、いや、何でもないのよ、何でも。」 レイ :「碇君を騙したのね、許せない・・・・」 アスカ:「そ、そんな事あるわけないじゃない!!それより次はアンタの番よ、 ファースト。」 レイ :「誤魔化すのね?まあ、いいわ。これであなたは碇君に嫌われるもの。 それで碇君の心は私一人に・・・・」 アスカ:「さっさと言いなさいよ!!後がつかえてるんだから!!」 レイ :「・・・・いいわ。早く終わらせて、碇君と二人っきりになりたいもの。 山田さん、私と碇君を二人きりにして。他の人なんていらないわ。」 アスカ:「アンタねえ・・・」 ヒカリ:「つ、次はあたしの番ね。ほら、アスカもあたしの話を聞いて。」 アスカ:「わかったわよ、ヒカリ。」 ヒカリ:「山田さん、きれいな話をありがとう。とっても良かったと思うわ。」 アスカ:「さすがヒカリ。まともな事言うわね。」 ヒカリ:「でも、どうしてあたしが出てこないの?あたしだって高嶋さんに好か れて結構活躍してるのに・・・」 シンジ:「ほ、洞木さん、それは・・・」 ヒカリ:「やっぱりあたしは脇役なの?それにあの鈴原、ただの因縁つける奴じ ゃない。全然違うわ。」 トウジ:「いいんちょーはわいのことまで気をつこうてくれるんか。済まんのう。」 ヒカリ:「す、鈴原!?聞いてたの、今の!?」 トウジ:「当たり前やないか。いいんちょーが話すっちゅうのに。」 ヒカリ:「・・・・」 トウジ:「おいこら、いきなりどこへ行くんや、いいんちょー!!」 シンジ:「・・・二人ともどこか行っちゃったよ。」 アスカ:「あいつはやっぱり馬鹿ね。ヒカリの気持ちも知らないで。」 シンジ:「でも、次はどうする?もう誰もいないし。」 アスカ:「もう、ろくな奴は残ってないじゃない。これで終わりでいいわよ。」 シンジ:「そうだね。じゃあ、これで・・・・」 ケンス:「ちょっと待ったあ!!」 アスカ:「誰、このケンスって?こんな奴知らないわよ。」 シンジ:「ケ、ケンスケだよ、きっと。ほら、四文字だから釣り合いが取れない んだ。」 アスカ:「じゃあ、ファーストみたいに相田の二文字にすればいいじゃない。」 シンジ:「漢字だと、これまた釣り合いが取れないだろ?」 アスカ:「それもそうね。やっぱり脇役はどうでもいいのよ。釣り合いが悪かろ うと。」 ケンス:「うう、そこまで言うか・・・・」 シンジ:「元気出せよ、ケンスケ。ケンスケもそのうち出番がやってくるよ。」 ケンス:「そう思うか、シンジ?」 シンジ:「当たり前じゃないか。それにほら、例の写真の話があったろ?そこで 活躍できるよ。」 ケンス:「そ、そうだよな!!」 シンジ:「そうだよ、ケンスケ!!」 ケンス:「でも、俺には女の子がいない・・・・」 シンジ:「そ、そんな事ないよ。ほら、まだ、伊吹さんとか、リツコさんがいる じゃないか!!」 ケンス:「そ、そうか、俺にもまだチャンスは残っているか!!」 シンジ:「そうだよ!!さ、元気を出して感想を!!」 ケンス:「俺がらぶらぶな話を作ってくれー!!」 アスカ:「魂の叫びね。」 シンジ:「リツコさんがここにいたら、無様ね、なんて言いそうだね。」 リツコ:「その通りね。」 シンジ:「リ、リツコさん、いつのまにここに!?」 リツコ:「今丁度ここを通りかかったのよ。マヤもいるわ。」 マヤ :「シンジ君、またごちそうしてね。」 ケンス:「うおおっ、リツコさーん、マヤさーん!!」 リツコ:「何なの、これ?」 マヤ :「よく分かりませんけど、とにかく逃げましょう、先輩!!」 ケンス:「逃げないでくださーい!!僕とらぶらぶになりましょーう!!」 アスカ:「うるさい奴が消えたわね。」 シンジ:「でも、リツコさんも伊吹さんも大丈夫かなあ?」 レイ :「碇君はあの二人を心配してるの?」 アスカ:「あら、アンタ居たの?気付かなかったわよ、全然。」 レイ :「私は碇君の側にずっといるわ。でも私はあなたみたいに、でしゃばら ないもの。」 アスカ:「うるさいわねえ。それにシンジの側にずっといるっていうのはアタシ のことよ。アタシはうちに帰っても、シンジと一緒にいるんだから。」 レイ :「葛城先生、私も一緒に住まわせて。」 ミサト:「そんなわがまま言わないの、レイ。」 シンジ:「あれ、ミサトさん、いつのまにいたんですか?」 ミサト:「リツコと入れ違いにね。お父さんと冬月校長からの伝言を持ってきた のよ。」 シンジ:「父さんの!?」 ミサト:「そうよ。まず、碇理事長から。『悪くない。』」 アスカ:「何それ?」 ミサト:「山田さんの作品についてじゃない?ま、どうでもいいけど。」 シンジ:「僕には何も?」 ミサト:「・・・・そうよ。ごめんなさい。でも、レイにはあるわ。」 レイ :「聞きたくありません。」 ミサト:「いいから聞きなさい。『好きにしろ。お前の選んだ道だ。』だって。 何のことだかわかる?」 レイ :「・・・・わかりました。」 ミサト:「そ、ならいいわ。次は冬月校長だけど・・・」 シンジ:「どうしたんですか、ミサトさん?」 ミサト:「・・・忘れちゃった。」 アスカ:「いいんじゃないの、別に!?あんなじいさんの言うことなんて、どう せ大した事じゃないわよ。」 ミサト:「そう?」 アスカ:「そうよ。ところで加持さんは?加持さんだけ出てないじゃないの。」 ミサト:「あいつはスイカよ、スイカ!!全くスイカのどこがいいっていうの!?」 シンジ:「僕にはなんとなく分かりますよ、加持さんの気持ち。僕もスイカ、好 きだし。」 レイ :「碇君はスイカが好きなのね。覚えておくわ。」 アスカ:「アンタバカ!?好きって言っても、どっちかっていうと、っていうく らいに決まってんじゃない!!」 レイ :「本当なの、碇君?」 シンジ:「そ、そうだね・・・・そんな事もないと思うよ。」 アスカ:「ど、どうしてそういう事言うのよ!!」 レイ :「やっぱりあなたに碇君の気持ちなんて分からないのよ。」 アスカ:「何ですって!?」 シンジ:「ちょっとミサトさん、何とか言ってやって下さいよ・・・ってミサト さん?いないんですか?」 レイ :「葛城先生なら、もう帰ったわ。」 シンジ:「ほんとに!?全く、いつのまにいなくなったんだろうか・・・?」 レイ :「さあ・・・それより碇君、これから私のうちに来ない?」 シンジ:「え!?でも・・・」 レイ :「いいでしょ?碇君に見てもらいたいものがあるの。」 シンジ:「見せたいもの?」 レイ :「そう。他の誰にも見せられないけど、碇君にだけ見せたいの。」 シンジ:「な、何だろな、それ?」 レイ :「来てくれる?」 シンジ:「う、うん・・・って、アスカ!!」 アスカ:「アタシをほっておいて、何二人で楽しくやってんのよ・・・・」 シンジ:「と、とにかくその物騒なマサカリはしまって・・・・」 アスカ:「天誅!!・・・ってよくかわしたわね、運動神経鈍いくせに!!」 シンジ:「ひ、ひえー、逃げろー!!」 レイ :「碇君、私を置いていかないで。」 アスカ:「待ちなさい、シンジ!!お仕置きはこれからよ!!」 シンジ:「助けてー!!」 日向・青葉:「出て来れなかった俺達って一体・・・・」 終わり とまあ、こんな感じです。山田さん、お気を悪くなさらないで下さいね。ほんの お遊びですから。では、300記念はこの辺で。次は500だー!!では。

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